この記事では、安心R住宅の制度概要と購入メリットについて解説していきます。
【前回のブログ記事】
前回の記事では、中古住宅購入者向けにホームインスペクションについて解説しました。
日本の住宅流通の背景について
日本の住宅は、古くなったら建て替えて新しくする「スクラップ&ビルド」という考え方が一般的でしたが、近年の少子高齢化・若年層の給与所得の減少などの影響により、新築着工件数は減少していくことが確実視される状況となっています。
また、既に既存の住宅ストック数が世帯数を上回ってきており、空き家となった住宅が増加し続けています。
そこで国土交通省は従来の新築重視ではなく、ストック重視の中古住宅や空き家の利活用の取り組みへ転換し、安全・安心で良質な住宅ストックの形成に向けて政策を打ち出しました。
その政策の一つとして、既存住宅流通促進を目的とした優良住宅ストックを確保するため 平成29年12月より『安心R住宅』制度が開始されました。『安心R住宅』とは 一定の要件を満たす住宅に国がお墨付きを与える制度で、該当する既存住宅には 標章(マーク)を使用することができます。
引用:一般社団法人 住宅瑕疵担保保険協会
安心R住宅の制度概要について
画像引用:国土交通省
安心R住宅は、国の審査を受けて登録した団体がそれぞれ運用しております。令和2年7月現在の登録団体はこちら
- 一般社団法人優良ストック住宅推進協議会
- (一社)優良ストック住宅推進協議会事務局
- 一般社団法人リノベーション協議会
- 公益社団法人全日本不動産協会
- 一般社団法人石川県木造住宅協会
- 一般社団法人日本住宅リフォーム産業協会
- 一般社団法人住まい管理支援機構
- 公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会
- 一般社団法人全国住宅産業協会
- 一般社団法人ステキ信頼リフォーム推進協会
- 一般社団法人耐震住宅100パーセント実行委員会
- 一般社団法人住宅不動産資産価値保全保証協会
これらの団体に加盟した事業者(宅建業者)が『安心R住宅』表彰(マーク)を使用し既存住宅を販売しております。
安心R住宅の基準と特徴
一般的な中古住宅の場合、現状での引渡しが一般的です。その場合購入者様は、さまざまな心配が出てきます。
- 地震があった場合、大丈夫?
- 雨漏りしていないか?
- この家は何年住み続けることができるのか?
- 設備が古い
- 全体的に黄ばんで汚れている
- 建物の構造や配管はどうなっているの?
このような不安点を払拭した住宅こそ『安心R住宅』です。
安心R住宅は、専門業者(建築士)にてインスペクション(建物調査)が義務付けられており、雨漏り、白蟻や欠陥などがある物件は修理しない限り安心R住宅としては登録できません。
さらには、事業者団体が独自に定めた基準で、見た目の汚い住宅は、リフォームをするか、リフォームプランを作成する必要があります。購入者にとっては、リフォーム済を購入するか、購入+リフォームを実施する物件によって異なります。
また住宅履歴情報や保証などが明確に記載されており、今後維持管理することを考えると必要といえます。
画像引用:国土交通省
安心R住宅のメリット
安心R住宅を購入するメリットとしては、
- 住宅の情報が開示されているので、安心感がある。
- リフォーム提案により中古住宅を購入後に必要なリフォーム金額の目安がわかる。
- 既存住宅瑕疵保険に加入することができ、加入した場合は瑕疵保険の保証がつく。
- 住宅ローン減税の対象となる(既存住宅瑕疵保険加入の場合)。
最後に
これからは住宅においても、いいものを作って、きちんとお手入れをして、長く安心して暮らしていくことができるのではないかと考えます。その選択肢として、安心R住宅をご検討されることをお薦めします。
住まいるオスカーでは、中古住宅売買時のサービスとして多くのメニューを用意しております。
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この記事を書いた人
Ishikawa Hitomi
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